知っておきたい!豆知識

   
【接面道路幅員について】
ガレージ造りの基本は、何といってもクルマの出入りがしやすいことです。そのため に、気をつけておきたい点がいくつかあります。まず、前面道路の幅の問題です。住宅密集地などでは一般的に幅4mという場合が多いのですが、クルマの出入 りに切り返しが必要になり、また、最近のクルマは大型化しているため、少し配慮が必要です。前面接道の幅はできれば6mは欲しいものです。ただ、幹線道路 などは、クルマの通りが多くて入れにくかったり、歩道が設けられていたりしているのも、ガレージ向きとはいえません。住宅地の中の道でも、抜け道となって いてクルマの通りが異様に多い道もあるから、それらも気になるところです。敷地の前に電信柱が立っているのにも注意が必要です。ガレージの出し入れの妨げ にならないとも限らないし、移動させるにはそれなりの費用がかかる場合があります。その他、前面道路と敷地に高低差がある場合にも注意が必要です。アプ ローチが急になり、車高の低いスポーツカーは底をすることにもなりかねません。

 
 
【ガレージの内寸について】
ガレージの設計で重要なのは内寸です。クルマが入ればいいというものではありませ ん。ドアを開けられるゆとりが必要で、可能ならドアを全開にしても壁に当たらないような余裕が理想といえます。欲をいえば、左右のドアを全開にできるよう にしたいものですが、一応の目安としては、横は片側のドアを全開にしても壁に当たらず、前後は、人が通り抜けできる余裕が必要です。天井は、仮に将来ミニ バンのような車高の高いクルマに買い換えたとしても収まる高さが必要になります。(2m+アルファ)。高さに関してはガレージドアも重要な要素でオーバー ヘッドドアなら、天井にパネルを収める空間が最低でも40cmは必要となります。また、天井だけ高くとっても、ガレージドアも高くなければクルマは入りま せん。ガレージドアの高さや幅も十分な余裕をもっておきたいものです。

 
 
【ガレージに適した工法について】
大まかに①木造軸組工法 ②木造枠組壁工法 ③鉄筋コンクリート造 ④鉄骨造 などが考えられます。
①は在来工法ともいわれ、日本の古来からの建て方。柱で構成して強度を保つ工法です。
②に比べて間取りの自由度が高く、後々の改築もやりやすい、コンクリートよりもコ ストが抑えられる、といった利点がある反面、設計・施工に確かな技術が必要とされてきます。②はいわゆる2×4工法です。地震にも強く、施工も比較的簡単 で工期も早く、高気密、高断熱にも対応しやすい工法です。一方、大きな改築はしにくい、4mを越えるような広いガレージ開口はそのままでは作りにくい、と いったデメリットがあります。
③はRC造ともいわれ、丈夫で耐久性が高く、開口もある程度広くとれるなどがメ リットといえます。ただ、施工には手が掛かり、コストが高くなりやすいというデメリットがあります。特に軟弱地盤といわれる佐賀では地中に数十メートルの 杭工事が必要になるなど、予想以上のコスト負担が必要になります。
④は、肉厚の丈夫な鉄骨で骨組みができているものです。住宅メーカーの軽量鉄骨で はありません。構造自体とてもしっかりしたものとなり、間口も広くとれ、ガレージ作りには向いているといえます。ただ、鋼材は熱を伝えやすいため、一般的 に夏暑く冬寒いというような快適性にやや難があります。

 
 
【並列型と縦列型】
ガレージを造る場合、大きくいって「並列型」と「縦列型」が考えられます。前者 は、クルマの横にユーティリティスペースを設けたり、2台入れなら横に並べる間取りとしたものです。後者は、クルマの奥に、あるいは前面にスペースをと る、2台入れなら前後に置く間取りのタイプです。前者の場合、クルマや物の出し入れはしやすいが、前面道路からの通行人の視線にさらされやすいというデメ リットがあります。後者の場合、後ろの車の出し入れは面倒になったりしますが、奥のほうの空間は外からは見られにくくなり、落ち着いた空間作りがしやすい というメリットがあります。

 
 
【照明について】
照明は、大きく分けて、蛍光灯か白熱灯か?直接照明か、間接照明か?という問題が あります。最近は、蛍光灯の白々した明るさを避け、やわらかい白熱灯を使う例が多いといえます。しかし、メンテナンスを行ったりするには比較的明るく、も のの形がわかりやすい蛍光灯がおすすめです。場所によって、両方を併設し使い分けるのもいいかもしれません。ガレージ内を落ち着いた雰囲気にするために間 接照明にする例がありますが、愛車のシルエットもやわらかく見え作業をしたり本を読んだりすることには向きません。スポットライトはレール取り付け式のよ うな移動可能式のものにしておきたいものです。

 
 
【換気扇について】
換気装置はガレージには必須です。熱気がこもりがちなガレージ内の換気を行い、室 温が異常に上昇するのを防ぐことも出来ます。また、クルマの排気ガス臭を排気したり、湿気がこもるのも防ぐことが出来ます。一般的には、お風呂などに使わ れるような小型のものが使われていますが、ファンの径が小さなものは常時運転させておく使い方がよいかも知れません。作動音もそれほど気にならないはずで す。設置場所は、温かい排気ガスは上にのぼるので、やや高めの位置がよく、クルマをとめる場所が決まっているなら、排気管のすぐ後ろが効果的です。